「四国の真ん中、とはずいぶん大仰な名前を付けたなあ」。愛媛県四国中央市という自治体名を聞いたときの第一印象だ。でも実際に足を運んでみて思った。「うん、四国のど真ん中だよね」と。
「ユースホステル新長谷寺」に泊まったのは偶然だった。徳島でなんとなく西に向かって車を走らせていたところ、日が沈んできた。行き先を高知か愛媛か迷っていたため、どちらにも行ける四国中央市で宿を探したのだ。
お寺が宿泊客を受け入れる「宿坊」という形態。関係者の方々は温かいホスト精神にあふれていて、とても居心地がよかった。
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本堂(左)の隣に宿泊施設がある |
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屋根瓦には葵の紋 |
施設の第一の魅力は、なんと言っても眺めの良さ。眼下には高速道路が伸び、遠くに目を移すと高い煙突がモクモクと煙をはいている。きくとこの地域は、大王製紙の企業城下町という。
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夜でも煙突はモクモクと煙を吐く |
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夜が明け、「こんな町だったのか」と知る |
お寺の第二の魅力は、豊かな自然。色んな木々や草花が見られるのだけれど、すべて手が行き届いている。それに境内には立派な石垣もあって「こんな高い所によく運んだものだ」と感心させられる。
山を下って街に向かうと、「エルモア」「エリエール」の看板が目に飛び込んでくる。さすが「大王製紙の町」。この商品の看板は、町中でいくつも目にした。
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町中で見かける「エルモア」や「エリエール」の看板 |
にょきにょきっと空に向かって伸びる煙突は、国内屈指の高さを誇るという。工場の横を通ると、酸っぱい臭いがした。
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大王製紙の煙突 |
四国中央市といえば今月、セブンイレブンが四国進出に合わせてここに拠点を置くことを発表した。行ってみて納得。徳島にも、香川にも、高知にも接しており、四国のどこにでも簡単に足を伸ばせるのだ。
この後、高知県に寄ったのだけれど、帰り道で四国中央市を再び通ったときに「もう一泊したいなあ」と思った。四国観光の拠点におススメです。